結局「働き方改革」というよりは「働かせ方改革」がしたいの?


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今回は裁量労働制や労働のあり方について自分が思っていることを書いていきたいと思います。

政府は働き方改革の一環として裁量労働制を拡大させようとしていますが、その中で不適切なデータが裁量労働制を評価する上で使われていたとして問題となり、国会で論戦が繰り広げられています。また、この不適切データを用いていたことが明らかになってから裁量労働制拡大に対するデモ活動も行われています。

https://www.asahi.com/articles/ASL2T3T7BL2TULFA001.html

裁量労働制の拡大は多様な働き方や残業時間の抑制の為に必要だと政府は主張していますが、現在でも仕事が終わって早く退社した場合に企業が通常勤務と同じ給料を支払うことは可能です。日本の企業では従業員に裁量が与えられていることは少なく、また決められた退社時刻に退社してはいけない風潮(または同調圧力)がある以上、裁量労働制は勤勉な社員を定額で長時間残業させる為に悪用される危険性が高いです。これでは、労働者目線の「働き方改革」というよりは経営者目線の「働かせ方改革」と言う方が近いと思います。一億総活躍社会やプレミアムフライデー裁量労働制拡大など、政府の掲げるスローガンや改革はどうして中身や実現性にかけた陳腐なものが多いんでしょうか。

そもそも政府が労働者の意向を無視して一律に労働時間等の整備をする必要があるのでしょうか?労働者の中にはもっと短い時間で働きたいと考える人もいるし、もっと長時間働きたいと考える人もいます(ライフアンドワークのバランスでは良くないことかもしれませんが)。固定給で働きたい人もいれば、出来高で働きたい人もいます。問題なのは企業が立場の弱い労働者に対して無理に過度な長時間労働または低賃金労働を押し付けることです。

だからこそ私が必要だと考えるのは、労働者個人や労働組合の権限を強化することです。一人ひとりの働き方に基づいて労働者個人が企業と働き方を交渉することができれば多様な働き方を推進していくことができると思います。今の日本では労働三権が保証されていますが、なかなか行使した実例を聞くことは少なく、学生でさえブラックバイトで苦しんでいるケースは少なくないです。政府には経営者ではなく労働者の目線に立ち、労働者が企業と対等な立場で交渉できるように制度を整え、また労働者が自らが持つ権利を行使できる風潮を築き上げて欲しいと思います。

平和の祭典の影に


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北朝鮮が飛び入り参加したり、国代表としての参加が禁じられたロシア出身の選手がOARとして参加するなど、異例づくしの中開催された平昌オリンピックも今日で閉会となる。韓国は北朝鮮を招くことで融和ムードを演出し、軍事的緊張を和らげようと意識していた(その姿勢には賛否両論あるが)。そんな平和の祭典の最中、シリアではロシアが支援するアサド政権の軍による連日の空爆で多数の民間人が死傷した。また攻撃された地域には病院も含まれていた。

https://www.jiji.com/jc/amp?k=2018022400627

http://news.livedoor.com/lite/article_image_detail/14349222/?img_id=16616869

 オリンピック中ということで、ここ最近のテレビを始めとしたメディア媒体ではオリンピックで活躍しているアスリートの報道が主となっており、国際情勢については中々情報が報道されることが少ない。しかし、このような時こそ、世界の動向に対して注意深く監視しておかなければならないと思う。巨悪は人の注意が及んでいない時・場所から蔓延っていくからである。

弱者を攻撃する為だけに「保守」を名乗る者

ここ数年間の間で、自称「保守」の人間が日本のマイノリティーや弱者に対して口汚く攻撃し、排斥的発言を繰り返しているのを(特に)インターネット上で見かける。在日外国人(主に朝鮮人、中国人)、セクハラ被害者や性犯罪被害者の女性に対する罵倒はとても見るに耐えないものが多い。私はこのような発言をTwitter上で見かけてる度に心を痛めているが、先日のはすみとしこ氏のTweetには目を疑った。

 
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「詩織ちゃん」と称されているのは以前より山口敬之氏から準強姦されたと主張している伊藤詩織氏である。はすみとしこ氏は性犯罪被害者である彼女に対してこのような事実性が確認できないTweetをし、セカンドレイプを行った。

はすみとしこ氏は以前にも難民の子供への誹謗中傷ともとれる絵を公開し、社会的弱者への配慮のなさを露呈したこともあったが、今回もレイプ被害を勇気を持って告発した女性への差別的主張やセカンドレイプを行い、このTweet以外にも伊藤詩織氏への根拠無き誹謗中傷を続けている。(私はそれらのTweetおよび本アカウントを通報した)

このように、主にネットを始めとした言論空間には社会的弱者に対して根拠のない誹謗中傷を行ったり、また古い既成概念によって構成された「現実」を見せつけることによってマイノリティーを「論破」している(と思い込んでいる)自称「保守」が急増しているように感じる。もはや彼らにとっては「保守」というのは弱者を攻撃する上で都合の良いポジションに過ぎないのだなと強く感じさせる。

このような差別的言動を繰り返す自称「保守」のせいで社会に新しいムーブメントが起きづらくなり、また、国防論についてしっかり論じたいと考える右派の人間にとってもイメージダウンになりかねないので、このような自称「保守」は言論空間上から早々に消えてほしいと願うばかりである。

オリンピック中の今だからこそ相撲問題について考える

初めて投稿する者です。今回はオリンピックが開催された事でマスコミの報道がしばらく収まり、落ち着きを見せた今だからこそ貴乃花のこと、相撲のことついて書きたいと思いました。

事の発端となったのは日馬富士による貴ノ岩への暴行事件です。このことをきっかけに、貴乃花相撲協会と対立することになり、連日マスコミは貴乃花を「腐敗した相撲協会と対立する正義のヒーロー」として報道しました。私自身、現役横綱による暴行事件はとんでもない事だと感じますし、相撲協会に隠蔽体質があるのは事実だと思います。ただ、私が違和感を感じたのは、貴乃花に対する「改革者」や「正義のヒーロー」としての評価です。

彼はそもそも今年解任されるまで8年間も理事を務めてきましたが、彼が何か具体的に改革を行ったという事実はなく、2014年から始まった、力士が相撲協会と直接雇用契約を結ぶというある種画期的な改革に最後まで反対していたのは貴乃花親方です。さらに、貴乃花部屋内でも暴行事件が起こっていたことは明らかになっています。彼の公式ホームページや言動をみるに、彼を改革者というよりは原理主義者と評する方が正しいのではないかと感じます。「神事としての相撲」こそが正義で彼が認めない相撲は「相撲」ではないというスタンスです。

彼や彼を賛同する者は、お互いががっぷり四つで戦う、いわゆる「ガチンコ相撲」が至高で(特に横綱は)、白鵬が使うようなかち上げ、張り手など言語道断だと切り捨てます。彼を盲目に支持するものはモンゴル人の相撲は邪道であり、実績も偽りのものであるかのように主張しています(口汚いヘイトスピーチ付きで)。しかし、私は相撲の「神事=(文化的行事)」としての側面と「ガチンコ(=スポーツとしての競技性)」を両立して強く論じることは矛盾があると感じています。

本当に相撲協会を改革していくならば、その先頭に立つべき人間はおそらく貴乃花ではなく外部の人間でしょう。そして、おそらく部屋制度を始めとした古くからの制度を変えていくことをしなければ、貴乃花支持者が声高に叫ぶ「改革」は不可能でしょう。なぜなら、貴乃花もまた同じ穴の狢だからです。